心理学用語

クレショフ効果とは、ソビエト連邦の映画監督であるレフ・クレショフが1920年代に実験で発見した現象です。これは、同じ顔のショットでも、その周りの映像によって、顔の表情が大きく変わってしまうことを指します。

クレショフは、俳優の顔のショットを撮り、その前後に異なる映像をつなぎ合わせて、観客の印象が変わるかどうかを観察しました。その結果、俳優の顔のショットを悲しい映像の前後につなげると、俳優の顔は悲しげに見え、喜ばしい映像の前後につなげると、俳優の顔は喜んでいるように見えることがわかりました。

クレショフ効果は、映画やテレビなどの映像制作で広く用いられています。例えば、悲しいシーンをより悲しく見せたい場合は、悲しい映像を前後につなげることで、観客の感情をより強く喚起することができます。また、喜ばしいシーンをより喜ばしく見せたい場合は、喜ばしい映像を前後につなげることで、観客の感情をより高めることができます。

クレショフ効果は、広告やマーケティングでも用いられています。例えば、商品の魅力をより伝えたい場合は、商品の映像を美しい映像の前後につなげることで、商品の魅力をより印象づけることができます。また、商品の優位性をより伝えたい場合は、商品の映像を競合他社の商品の映像の前後につなげることで、商品の優位性をより際立たせることができます。

クレショフ効果は、私たちの認知の性質を理解し、映像をより効果的に伝えるための重要な概念です。

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