心理学用語

奇異性効果(von Restorff effect)とは、一連の刺激の中で、他の刺激と大きく異なる刺激が記憶に残りやすいという心理現象です。この効果は、ドイツの心理学者エルヴィン・フォン・レストルフ(Hedwig von Restorff)によって1933年に初めて報告されました。

フォン・レストルフの実験では、被験者に対して一連の数字を記憶させました。その際、数字の一部を赤色で表示したところ、赤色の数字の方が記憶に残りやすいという結果が得られました。この結果から、フォン・レストルフは、他の刺激と大きく異なる刺激は、注目を集めやすく、記憶に残りやすいと考えました。

奇異性効果は、様々な場面で観察されています。例えば、広告で商品を宣伝する際に、他の広告と大きく異なるデザインや色を使用することで、注目を集めやすく、記憶に残りやすくなります。また、教材で新しい概念を学習する際に、他の概念と大きく異なる例を挙げることで、理解しやすく、記憶に残りやすくなります。

奇異性効果は、記憶を向上させるための効果的な方法の一つです。しかし、奇異性効果を過度に利用すると、逆に記憶を損なう可能性があります。そのため、奇異性効果を利用する際には、適度に使用することが重要です。

奇異性効果は、人間の認知の仕組みを理解する上で重要な役割を果たしています。奇異性効果を理解することで、より効果的に記憶を向上させることができるようになります。

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