心理学用語

アビリーンのパラドックスとは、ある集団が、その構成員の実際の嗜好とは異なる決定をする状況をあらわすパラドックスです。これは、集団メンバーが皆、他人の意見に同調しようとすることにより起こります。結果として、集団は誰もが望んでいない決定をしてしまうのです。

アビリーンのパラドックスは、1965年にジェームズ・ハーベイによって提唱されました。ハーベイは、テキサス州アビリーンにある家族で、日曜日の午後にドライブに行くことにしました。しかし、家族のメンバーは皆、ドライブに行くことに興味がなく、行きたくない場所に行こうと思っています。しかし、誰もが他人の意見に同調したため、最終的にドライブに行くことになってしまいます。

アビリーンのパラドックスは、ビジネスや組織でよく見られる現象です。例えば、会議で新しいプロジェクトを立ち上げることになったとき、メンバーは皆、プロジェクトに興味がなくても、他人の意見に同調してプロジェクトを立ち上げてしまうことがあります。結果として、プロジェクトは失敗に終わることもあります。

アビリーンのパラドックスを防ぐためには、メンバーが自分の意見を率直に表明することが重要です。また、リーダーはメンバーに自分の意見を表明するよう促し、議論を促進することが重要です。

アビリーンのパラドックスは、集団思考の一種です。集団思考とは、集団メンバーが皆、同じ意見に同調し、異論を排除する傾向です。集団思考は、アビリーンのパラドックスだけでなく、様々な問題を引き起こす可能性があります。そのため、集団思考を防ぐことが重要です。

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